社名は、花の“あやめ”から名付けています。花は密かに想いを込められるところがいい。花に託して伝えたい想いもあれば、自分だけが知っていればいい想いもある。そこには深い意味があるかもしれないし、実は何も無いかもしれない。弊社はというと、それはもうたくさんの想いを背負わせています。特徴あやめは天に向かってまっすぐに育つ多年草で、季節をまたぎ同じ株から何度も花を咲かせます。耐寒性や耐暑性が高く丈夫で、栽培することなく自生する強さを持つ植物です。特性上、花束やアレンジに使われることは少なく、華美な存在感はありませんが、初夏を彩る紫や白の端正な花を咲かせます。漢字では「菖蒲」と書き、「アヤメ」とも「ショウブ」とも読みます。この2つは科名が異なり、実際には似て非なるものらしいのですが、「勝負」や「尚武」と通じることから縁起の良さを感じて験を担いでいます。花言葉花言葉は、「よい便り」「メッセージ」「希望」。この花言葉に共通性を感じたことが名付けの一番の理由です。アヤメはウェブ招待状サービスがルーツの会社なので、関わってくださる皆さまに、吉報をもたらす存在でありたいとの想いを投影しています。花言葉以外にも、宝石に込められた「石言葉」や、誕生日ごとの「星言葉」などがあり、あらゆるモノコトバの中でも花を選んだ理由は、ウェブ制作の他に生花事業を行っているからです。ウェブと生花、表現方法の違いはあれど、デザインすることの楽しさにオンラインとオフラインの境目はありません。ロゴデザインロゴのシンボルはあやめの花をモチーフに象っています。ウェブ招待状を通じて縁が途切れず繋がり続けるように、人と社会の永続性を表しました。テクノロジーの進化は、産業革命やデジタル革命のようなイノベーションを起こし、新型コロナウイルスのパンデミックにより、あっという間に世界の状況を変えました。これまで紙が主流だった招待状も、ウェブサービスへと移り変わる過渡期にあります。もちろん、紙で受け取る招待状の良さも知っています。時には利便性や快適性よりも重んじるべき側面があることも理解しています。でもきっと、時代にあった選択肢をつくれば、文化は継承されるはず。故きを温め新しきを知る「温故知新」の考え方をもって、テクノロジーが人と社会を隔てるのではなく、つながり続ける仕組みを創造したい。一筆書きのロゴマークは、そんな想いを込めています。ブランドカラーこれは完全に後付なのですが、アヤメを設立した2022年のパントン・カラー・オブ・ザ・イヤーが「Very Peri(ヴェリー・ペリ)」という紫色だったことをご存知でしょうか。パントン(PANTONE)とは、色の1つ1つに世界共通の番号を割り振っているアメリカの色見本企業。あらゆる産業やデザインにおいて分析し、今を映す色として「パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー」を発表し続けています。「Very Peri」は淡い紫色。「先の見えない不確実性と、未来に向けた心境を表現する色」との説明が書かれおり、情勢的な背景からポジティブな理由ではないのですが、その年を象徴するトレンドとシンクロしたことに引きの強さを感じています。アヤメ設立時にはすでに「Very Peri」が選ばれていたのですが、デザイナーの端くれにも関わらず存じ上げておりませんでした。誇れることではないのですが、後付するには都合の良いよく出来た話なので、ブランドカラーをあやめ色に決めたことの肯定材料としています。まとめウェブプロダクションと聞くと、華やかで今風の印象を持たれる方も多いでしょう。技術進化も目覚ましく、横文字の飛び交う新しい業界だからこそ「分かりやすく」、「馴染みやすく」、「覚えやすい」名前を付けたかった。そしてやるからには、こだわりと思い入れを強く持ち、愛着の沸く名前にしたかった。こういったストーリーや小話は、黙っておく方が企業としての格があってかっこいいのだと思いますが、なんせアヤメは植物由来。小さなプロダクションらしく、雨風を受けながらも育んでいきたいという想いです。何卒ご贔屓賜りますよう、お願い申し上げます。